| PARTY REPORT 2005/05/07 | ||||||
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| ESCAPE PRESENTS HI-TECK SOUL JAPAN TOUR 2005 デトロイトテクノのオリジネーター、一年振りの再来日です Reporter: DJ HIROKI Photo: yuko(yellow) |
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| 2005年5月7日土曜日。通い馴れたYellowのドアーを通り抜け、地下から打ち寄せてくる低音に乗りながら鉄の階段を下る。この日が素晴らしいものになるであろう予感は既にこの時に。それがどんな形であれ、パーティーを楽しむ人々の感情は箱に収まりきらない。個々の纏うポジティブな何か、それが外界にまで溢れ出てくるものだろう。 エントランスからNano Spaceに足を踏み入れ、友人と共にクロークへ向かう。耳の外側で響いていたベース・ドラムが徐々に耳を通り抜け頭の内側へ、B2へと下る頃には身体の芯を浸食し始めていた。そしてスピーカーの裏からダンス・フロアーへと歩みを進め、完全に音の支配下に身を置く。自然とリズムを刻む身体、無意識に解放される心。以降、パーティーが終幕を迎えるまで意識は音楽と共に。そこにどういった音楽が存在したかというと、それは純粋な「ダンスミュージック」だったような気がする。いわゆる「House」と呼ばれる音楽を軸として耳にし、伝えることを好む僕がすぐに思い浮かべたのはChicago Houseの立役者として絶大なる信奉を集めるDJ、故Ron HardyのPlayだった(もちろんRonのPlayを目の当たりにしたことはないけれども)。「そうか、やっぱり一緒なんだ」と。HouseとTechno、いつしか分け隔てられてしまった音楽。区切りをつけた人間に対して「何故?」と問いただしたくなった。少なくとも僕にとっては一緒に聞こえるのに。その日YellowのDJブースにいたのは、曲の持つパワーを最大限に活かしたうえで自らのエナジーを注ぎ込み、フロアーを夢の世界に引きずり込む純粋かつ最高峰のDJ。この瞬間に居合わせることが出来たのは最高に幸せなこと。Yellowへと足を踏み入れて30分も経っていないのに、既にそんな実感が湧いていた。見渡すと、その音楽を受け自己の身体を増幅装置の様にして幸福感を放出しているダンサーがとても目に付いた。もちろんそこには数え切れない程の「笑顔」が! 正直、DerrickがPlayした曲はほとんど覚えていない。覚えているのはポジティブな感覚と断片的な「楽しかった」記憶のみ。踊り、友人や初めて会う人々とのコミュニケーション、その両方を満喫したことだけは確か。 特に印象深かったのはこのパーティーのプロモーターであり、自らオープニングDJを務めたRyo Watanabeとの会話。これらのDJと最も密接にコミュニケーションを交わしている彼と会話をすると、ダンスミュージックに対して様々な思考が巡ることが多い。この日の話をおおまかに要約すると、近年までChicago/Detroit〜NY間の交流がDJレベルで盛んではなかったとのこと。つまり、お互いに共通した音楽的嗜好、ルーツを備えているにもかかわらず、当の本人達がその現状を認識していなかったといった内容のお話。僕達は世界各国、様々な地域から訪れるDJのPlayを日常的に体験出来るし、世界中で最も豊富かつ良質なダンスミュージックのアナログ・レコードが流通している街はここ東京だというのも事実(もちろん欲求の高い人達はネットを通じて何処へでもアクセスして好みの音を手に入れているけれども)。そういった恵まれたダンスミュージック環境にいる僕達だからこそ知り得ている事や体験し得る現象は必ずや存在する。なんて発想は、僕ら次第で為し得ることはもっともっと沢山あるのでは、という期待感に繋がった。音楽に境界線はない。愛するダンスミュージックが元々外来であるが故に、それを地でゆくことが出来るのが僕らの特権。ダンスミュージックを楽しむ上で非常に恵まれた環境にある街、東京。だったらもっとこの現実をありがたいこととして素直に受け止め、幸せを噛みしめながら遊べばいいだけ。完全な定義すら出来ない言葉に惑わされて扉を閉ざすのは勿体ない。そんな確信を頭に巡らせながら遊びに興じた夜。前向きな感情とこみ上げてくる笑顔以外はこの素晴らしいパーティーには不必要だったし。 気付けば(本当に)パーティーも終盤にさしかかり、大好きな時間がやってきた。「もっともっと」と音楽を欲しがるハードコアダンサーのテンションは落ちない。音楽に全身全霊を委ねる大勢の「逝きたがり」達の煽り声にDerrickが応えるフロアー。40男の絶倫セックスとはこういったもの?出来ることならば僕もこういったDJになりたい、なんて羨望の感も生まれた。
Dance Musicの地域性、商業性故に発生してしまった不必要な「括り」。「楽しみ」を狭めている「括り」。それをぶち壊すのはDJの役目であると同時にパーティーピープルの役目。言葉に踊らされないこと、音楽は聴いて感じるもの。どうせ踊らされるなら音楽に踊らされた方が楽しいはず。単純なことだからこそ、常その意識を心に。この夜の如き素晴らしいDJ・パーティーに出会えた時には、必ず噛みしめている思い。 最高のパーティーをありがとう。 最後にこの場を借りて、この夜、同じ空間と時間を共有した全ての人に心からお礼を。
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